2010-04-16

Meadow3からgitを使う時の設定メモ

なんとかまともに使えそうな設定が見つかったのでメモ。

条件:

  • CygwinはUTF-8ではなくCP932で使う(LANG=ja_JP.CP932)。CygwinからほかのWindows用コマンドラインツールを呼び出したりするので、CygwinのツールだけUTF-8になっても困る。
  • msysgitを使う。Cygwinのgitはテキストモードのディレクトリで使えないので。Cygwinのcvsを使う以上、開発用ディレクトリ全体をテキストモードにする必要がある。cvsを使うかgitを使うかでプロジェクトごとにマウントし直すのは嫌。
  • Cygwinのsshを使う。win-ssh-askpassを使いたいので、msysgitのsshを使うわけにはいかない。
  • コミットログはUTF-8で記録したい。i18n.commitEncodingではダメ。これはUTF-8に変換してくれるわけではない。
  • Meadow上ではMagitを使う。
  • Magitからできるだけ文字化けしないようにしたい。
    • エンコーディングが違うファイル(たとえば一方はUTF-8、もう一方はCP932)の差分を文字化けせずに同時に表示したい。git diffの中で混ざってしまうので、結果をどう加工しても回避できない。
    • バッファ上部に出る最後のコミットのタイトルが文字化けしないようにしたい。magit-shell-command-to-string、magit-git-exit-code、magit-run-shell関数はsh.exe(shell-file-name)経由でgitを呼び出すので、modify-coding-system-alistでgit.exeのエンコーディングを指定しただけでは不十分。
    • Unpushed一覧などで文字化けしないようにしたい。git log –pretty:formatの%sではi18n.logOutputEncodingが効かない模様。

以上を考慮すると、Meadow-git間はutf-8にするのが無難。

cp932にしていろいろ試してみたのだけれど、git logのformatで%sを使った場合にlogOutputEncodingを考慮してくれない(gitにログをcp932で出力させられない)というところでギブアップ。magit-insert-unpushed-commitsなどがこのフォーマット指定を使っている。

utf-8にすると、今度はsh経由でgitを呼び出す部分で困る。sh経由でほかのツールを呼び出すこともあるので、shのエンコーディングを一律utf-8にするわけにはいかない。仕方ないので、defadviceでごにょごにょした。

msysgitの中で無効化するファイル。Cygwinのを使うので、削除するなり移動するなり。

  • bin/ssh*
  • bin/bash

.bashrcの関係ありそうな部分。

export TMP=/tmp
export TEMP=/tmp
export LANG=ja_JP.CP932

.emacsの関係ありそうな部分。

; *環境変数の設定。これらをシステム全体の設定にするのは抵抗があるのでここで。
;  Cygwin1.7の動作とか、win-ssh-askpassの動作とかで問題になったものを列挙。
(setenv "LANG" "ja_JP.CP932")
(setenv "TMP" "c:/app/cygwin/tmp") ;Meadowを使っている間はCygwinの/tmpを使う。
(setenv "TEMP" "c:/app/cygwin/tmp") ;Meadowを使っている間はCygwinの/tmpを使う。

; *とりあえず日本語環境が前提。
(set-language-environment "Japanese")

; *magit.elはgitを直接起動することもあるし、shell-file-nameのコマンド経由で起動することもあるので注意。
(setq shell-file-name "sh")
(setq shell-command-switch "-c") 

; *私はMeadow-Cygwin間は基本的にcp932にしている。
;  ほとんどの自作コマンドラインツールがcp932前提だし、
;  日本語版Windowsのデフォルトのロケールはcp932なわけだから、
;  Cygwin以外のWindows用ツールと連携させるならば普通はこの方がいい。
(modify-coding-system-alist 'process "sh" '(cp932-dos . cp932-unix))

; *Meadowとgitとの間はutf-8にする。
;  コミットログをutf-8で記録したい。
;  i18n.commitEncodingはコミット時に変換してくれるわけではないっぽい。
;  また、magit.el内でgit log --format %sを使っている場所があるので、
;  どうしてもutf-8でやりとりせざるを得ない。
;  この設定はshell-file-name経由でgitを呼ぶ場合には適用されないので注意。
;  そちらは.gitconfigのi18n.logOutputEncodingと、sh.exeに対する
;  process-coding-system-alistの設定で調整すること。
(modify-coding-system-alist 'process "git" '(utf-8-dos . utf-8-unix))

; magitを使えるようにする。
(cond ((locate-library "magit")
       (require 'magit)
       ;; magitがshell-file-name(sh.exe)経由でgitを呼ぶとき、utf-8で入出力する。
       ;; magitがshell-file-nameを使ってprocess-fileやcall-processする関数には次のものがある。
       ;; - magit-shell-command-to-string
       ;; - magit-git-exit-code
       ;; - magit-run-shell
       ;; これらの呼び出し時、一時的にprocess-coding-system-alistを書き換える。
       (defun add-sh-utf8-process-coding-system-alist ()
         (cons (cons shell-file-name '(utf-8-dos . utf-8-unix)) process-coding-system-alist))

       (defadvice magit-shell-command-to-string (around magit-shell-command-to-string-proc-coding activate)
         (let ((process-coding-system-alist (add-sh-utf8-process-coding-system-alist)))
           ad-do-it))

       (defadvice magit-git-exit-code (around magit-git-exit-code-proc-coding activate)
         (let ((process-coding-system-alist (add-sh-utf8-process-coding-system-alist)))
           ad-do-it))

       (defadvice magit-run-shell (around magit-run-shell-proc-coding activate)
         (let ((process-coding-system-alist (add-sh-utf8-process-coding-system-alist)))
           ad-do-it))

 ))

.gitconfig

[diff]
	external = ~/git-diff-nkf.sh
#[i18n]
#	logOutputEncoding = utf-8

~/git-diff-nkf.sh (異なる文字エンコーディングで書かれたファイルの差分をUTF-8に統一するために必要。echoの部分はちょっと怪しい。モード値だけが変わった場合にどうなるのかとかよくわかっていない)

#!/bin/sh
# $1 = 比較しているファイルのファイル名
# $2 = 旧バージョンの内容が入ったテンポラリファイル名
# $3 = 旧バージョンの内容のオブジェクト名
# $4 = 旧バージョンのファイルのモード値
# $5 = 新バージョンの内容が入ったテンポラリファイル名
# $6 = 新バージョンの内容のオブジェクト名
# $7 = 新バージョンのファイルのモード値

echo diff --git a/$1 b/$1
if test $3 == "."
then
# *新しくファイルを追加するとき。
# 例:
# diff --git a/.gitignore b/.gitignore
# new file mode 100644
# index 0000000..b25c15b
# --- /dev/null
# +++ b/.gitignore
    echo new file mode $7
    echo index 0000000..${6:0:7}
    diff -u -L /dev/null -L b/$1 $2 $5 | nkf --utf8 -d
else
# *内容が変わった場合。
# 例:
# diff --git a/readme.txt b/readme.txt
# index 353a8aa..401f140 100644
# --- a/readme.txt
# +++ b/readme.txt
    echo index ${3:0:7}..${6:0:7} $7
    diff -u -L a/$1 -L b/$1 $2 $5 | nkf --utf8 -d
fi

2010-04-24追記:上の方法は選択範囲(日本語を含む)を部分的にstageする機能が正しく動かない場合がある。それに対処するためエンコーディング調整ラッパーを使う方法を書いた。これを使うと.gitconfigとgit-diff-nkf.shは不要。