PC-6001シリーズを思い出す人は多いようで。私の場合、なぜ98では出来ないんだ! とBEEP音による音声再生に取り組んだのが中学~高校時代。コンピュータが喋るということに対して、強いあこがれがあったように思います。
それからすると、この歌唱合成システムは非常に感慨深い物があります。
しかし、うまく発音できるようになるほど、最大の問題が鮮明に浮かび上がってくるのも事実。それは心の不在です。どんなにうまく歌えても、人間が事細かに指示しなければならないのでは単なる楽器です。歌詞を理解し、自発的に上手く歌おうとする、本物の歌手を作れないものでしょうか。それには人間という物をもっと理解しなければならないでしょう。人間とは何なのか、心とは何なのか、人類はその真理に少しでも近づくことが出来るのでしょうか。いつの日か、人間を置き換えられる機械を作れるのでしょうか。人類が居なくなっても、歌い続けることの出来る機械を作れるでしょうか。
ところで、サンプリングではなく、発声器官の物理的なシミュレーションによって合成する方のアプローチでは今のところどんなもんなんでしょう。そっちの方が筋は良いはずだけど、制御はかなり難しいはずだよね。