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2016-05-29 ,

org-mode文書中の予定(タイムスタンプ)をGoogle Calendarへ登録する

Google Calendarとやりとり出来るようになったので、org-modeとGoogle Calendarとの間で必要となる道具立てを作成しています。

色々作成中ですがとりあえず。

misohena/gcal: Google Calendar Utilities for Emacs

gcal-org.el というのが中心になるのですが、その中のgcal-oeventオブジェクトがGoogle Calendarへ登録される予定を表します。

gcal-oeventオブジェクト

gcal-oevent(以下単にoevent)は、org文書を解析して得られた1つの予定(event)を表現するオブジェクトです。

オブジェクトの作成

オブジェクトは、例えば以下のようなコードで作成できます。

(setq oe
  (make-gcal-oevent
    :id "a84717b2-7c0b-4549-80f4-9477d14f975f"
    :ord 0
    :summary "田中さんと打ち合わせ"
    :ts-prefix "DEADLINE"
    :ts-start '(2016 2 3 nil nil)
    :ts-end '(2016 2 4 nil nil)
    :location "東京駅"))

また、org文書を解析して(そのリストが)得られたり、

(gcal-org-parse-file "~/my-schedule.org") ;;指定ファイルから
(gcal-org-parse-buffer) ;;現在のバッファから

オブジェクトをファイルへ保存して、それを読み込んで得られたり、

;; my-schedule.orgを解析したものをmy-schedule.gcal-cacheへ保存
(gcal-oevents-save "~/my-schedule.gcal-cache" (gcal-org-parse-file "~/my-schedule.org"))

;; my-schedule.gcal-cacheからoeventのリストを読み込み
(gcal-oevents-load "~/my-schedule.gcal-cache")

Google Calendar上のカレンダーから読み込んで得られたりします。

;; カレンダー(ID:example@gmail.com)から予定を読み込んでoeventのリストとして返す
(gcal-org-pull-oevents "example@gmail.com")

プロパティの取得

プロパティの取得は (gcal-oevent-プロパティ名) で行えます。

(gcal-oevent-id oe) ;;=> "a84717b2-7c0b-4549-80f4-9477d14f975f"
(gcal-oevent-summary oe) ;;=> "田中さんと打ち合わせ"

1オブジェクト=1タイムスタンプ

このオブジェクトはorg文書中の一つの(アクティブ)タイムスタンプに対応します。一つのヘッドラインに対応するのでは ありません 。 org-agendaが行うように、SCHEDULED、DEADLINE、その他記事中のアクティブタイムスタンプ一つにつき一つの予定をGoogle Calendarへ登録したかったからです。

そのため :id の他に :ord というプロパティを持っています。このプロパティは一つのエントリー中に現れたアクティブタイムスタンプの順番を表します。

IDの変換

Google Calendarの予定のIDはbase32hexで使う範囲の文字(0-9a-v)しか受け付けません(ハイフンが入っているとダメです)。 また、デフォルトではUUIDをbase32hexでエンコードしたものをIDとしています。

従って、oeventをGoogle Calendarへ登録するときは:idをbase32hexでエンコードしたものへ変換することにしました。

(downcase (gcal-uuid-to-base32hex "a84717b2-7c0b-4549-80f4-9477d14f975f"))
;; => "l13hfcjs1d2kj07kihrt2jsnbs"

(gcal-uuid-from-base32hex "l13hfcjs1d2kj07kihrt2jsnbs")
;; => "a84717b2-7c0b-4549-80f4-9477d14f975f"

しかしこれだけだと1エントリー中に複数のタイムスタンプがある場合にIDが重複してしまいます。

それを避けるために :ord が1以上の時は、その数をIDの後ろに付加することにしました。幸い文字数の制限は緩いので。

(gcal-oevent-gevent-id
  (make-gcal-oevent
    :id "a84717b2-7c0b-4549-80f4-9477d14f975f"
    :ord 1
    ... )) ;;=> "l13hfcjs1d2kj07kihrt2jsnbs00001"

(gcal-oevent-id-ord-from-gevent-id "l13hfcjs1d2kj07kihrt2jsnbs00001")
;; => ("a84717b2-7c0b-4549-80f4-9477d14f975f" . 1)

:ord が0のときは付加しません。Google Calendar上で作成した予定を取り込むときはその方が都合が良いからです。取り込んだイベントをorg文書中にインポートした後、元のGoogle Calendar上のイベントのIDを番号付きに修正する必要が出てしまいますので。

タイムスタンプの扱い

:ts-start や :ts-end は ( ) というリストで表現します。このリストは gcal-ts- で始まる関数で色々な処理が出来るようになっています。

はnilの場合があります。時間の入っていないタイムスタンプに対応します。

(gcal-ts-date-only '(2016 5 29 nil nil)) ;;=> t <2016-05-29 Sun>
(gcal-ts-date-only '(2016 5 29 12 34)) ;;=> nil <2016-05-29 Sun 12:34>

ややこしいのはts-endの扱いで、Google Calendar側では終了時刻はその時刻自身を含まない(exclusive)とされていますが、org-mode側では曖昧であることです。 org-modeは日付のみの場合はinclusive、時刻を含む場合はexclusiveなのだと思うので、それを前提に変換しています。

(gcal-ts-end-exclusive '(2016 5 1 nil nil) '(2016 5 1 nil nil)) ;; => '(2016 5 2 nil nil) 1day <2016-05-01 Sun>
(gcal-ts-end-exclusive '(2016 5 1 nil nil) '(2016 5 2 nil nil)) ;; => '(2016 5 3 nil nil) 2days <2016-05-01 Sun>--<2016-05-02 Mon>
(gcal-ts-end-exclusive '(2016 5 1 10 00) '(2016 5 1 10 00)) ;; => '(2016 5 1 10 0) 0hour <2016-05-01 Sun 10:00>
(gcal-ts-end-exclusive '(2016 5 1 10 00) '(2016 5 1 12 00)) ;; => '(2016 5 1 12 0) 2hours <2016-05-01 Sun 10:00-12:00>
(gcal-ts-end-exclusive '(2016 5 1 10 00) '(2016 5 2 10 00)) ;; => '(2016 5 2 10 0) 24hours <2016-05-01 Sun 10:00>--<2016-05-02 Mon 10:00>
;;逆は gcal-ts-end-inclusive

oeventとGoogle Calendarとのやりとり

oeventをGoogle Calendar APIへ送る(gcal-events-insertへ渡す)ための形式へ変換するには gcal-oevent-to-gevent を、その逆は gcal-oevent-from-gevent を使用します。

;; Send a oevent
(gcal-events-insert "example@gmail.com" (gcal-oevent-to-gevent oevent))

;; Receive a event as oevent
(gcal-oevent-from-gevent (gcal-events-get "example@gmail.com" "l13hfcjs1d2kj07kihrt2jsnbs"))

oeventのリストは gcal-org-push-oevents と gcal-org-pull-oevents で送受信できます。

;; Send all active timestamps in my-schedule.org
(gcal-org-push-oevents "example@gmail.com" (gcal-org-parse-file "~/my-schedule.org") nil)

;; Receive
(gcal-org-pull-oevents "example@gmail.com")

gcal-org-push-oeventsは差分抽出機能を備えており、旧リストから新リストへの差分(追加、削除、更新)のみをGoogle Calendarへ送ることが出来ます。

;; my-schedule.orgだけにあるものを追加し、.oldだけにあるものを削除し、内容が変わったものをパッチする。
(setq result-events
  (gcal-org-push-oevents
    "example@gmail.com"
    (gcal-org-parse-file "~/my-schedule.org") ;;new-events
    (gcal-org-parse-file "~/my-schedule.org.old");;old-events
))
;; result-eventsはサーバ上に残った予定のリスト。
;; エラーが無ければnew-eventsと同じ。
;; 追加に失敗すればその予定を載らないし、更新に失敗すればその予定は旧状態、削除に失敗すればその予定は残る。

;; my-schedule.orgにある予定を全て削除する。
;; new-eventsがnil(空リスト)なので、old-events内の予定に対応するものは一つもないので。
(gcal-org-push-oevents
  "example@gmail.com"
  nil
  (gcal-org-parse-file "~/my-schedule.org"))

oeventとOrg文書とのやりとり

org文書からoeventのリストを得る(解析する)には次のようにします。

(gcal-org-parse-file "~/my-schedule.org")
(gcal-org-parse-buffer)

逆にoeventを文字列化してorg文書へ挿入するには次のようにします。 (※ただし、:ordのことを考慮していないので注意が必要です)

;; 挿入先のorg文書を開いた状態で実行すること
(gcal-org-insert-string-after-headline
  (gcal-oevent-format oevent)
  "Inbox")

gcal-oevent-format は何も引数を指定しなければ gcal-org-oevent-template 変数に書いてあるテンプレートを使ってoeventを文字列化します。

gcal-org-oevent-template
"** %{summary}\nSCHEDULED: %{timestamp}\n:PROPERTIES:\n :ID: %{id}\n :LOCATION: %{location}\n:END:\n"
  "org-mode text representation of oevent."

Org文書とGoogle Calendarとのやりとり

oeventオブジェクトを介さずに直接やりとりする関数も作っています。

;; キャッシュ~/my-schedule.gcal-cacheから~/my-schedule.orgへの差分を
;; カレンダーexample@gmail.comへ適用します。
;; 成功した更新はキャッシュへ反映されます。
(gcal-org-push-file "example@gmail.com" "~/my-schedule.org" "~/my-schedule.gcal-cache")

;; キャッシュmy-schedule.gcal-cacheからカレンダーexample@gmail.comへの差分を
;; ~/my-schedule.orgへ適用します。
;; 新しく追加された予定はヘッドライン"Inbox"の下に挿入します。
;; 成功した更新はキャッシュへ反映されます。
(gcal-org-pull-to-file "example@gmail.com" "~/my-schedule.org" "Inbox" "~/my-schedule.gcal-cache")

pullは作り途中で、更新に対応していません(2016-05-29現在)。org文書中の一部の場所だけ書き換えないといけないので。

oeventsリストの差分抽出

gcal-oevents-diffを使用すると二つのoeventリストを比較できます。

それぞれの予定を :id と :ord をキーにマッチングを行い、変化(追加、削除、変更、そのまま)を見つけ出し、それに対応する関数を呼び出します。

(gcal-oevents-diff
 (gcal-oevents-load "~/my-schedule.org") ;;old-events
 (gcal-org-pull-oevents "example@gmail.com") ;;new-events
 (lambda (old-oe new-oe) (insert (format "mod %s => %s\n" old-oe  new-oe)))
 (lambda (new-oe) (insert (format "add %s\n" (gcal-oevent-summary new-oe))))
 (lambda (old-oe) (insert (format "del %s\n" (gcal-oevent-summary old-oe))))
 (lambda (oe) (insert (format "not change %s\n" (gcal-oevent-summary oe)))))
2016-05-26 ,

EmacsからGoogle Calendar APIにアクセスする

org-modeでタスク管理をしているとGoogleカレンダーとの同期がしたくなりますよね。

現在はMobileOrg(Android版)のカレンダー登録機能を使っているのですが一定時間おきに同期するので予定がすぐ見られないことが良くありますし、AndroidのMobileOrg自体出来があまり良くなくて同期に失敗していつの間にか止まっていたりします。

org-modeのマニュアルではiCalendar(.ics)へエクスポートしてサーバに置いておく方法が紹介されていますがGoogleのボットが見に行くのに時間がかかるのであまり即時性はありません。

org-gcal.elを試したのですがエラーで動かないことやリクエストが終わらずそのまま何も起こらなかったりしてしまいました(予定はダウンロードできる(たまにできない)がアップは出来ない)。それと私がやりたかったのはagendaで出てくるような複数ファイル上の予定をそのままGoogleカレンダーへ設定したいだけだったので、わずかに使い方が異なるというのもありました。

動かない原因を探そうにも前提知識無しでorg-gcal.elをいきなり読んでもよく分かりません。

というわけで、勉強がてら色々参考にしながらEmacs LispでGoogle Calendar APIにアクセスするコードを書いてみました。

Google APIライブラリが整備されている他の言語や外部のツール(GoogleCL)を使うという手もあるのですがそこはとりあえずWindowsだから面倒ということで。

Google Developer Consoleで認証情報を作成

これから作るelisp(クライアントアプリ)がGoogleカレンダーにアクセスできるように、Google Developer Consoleで認証情報を作成する必要があります。

手順は次の通りです。

  1. Google Developer Consoleへアクセス
  2. プロジェクトの作成(プロジェクト名はCalendar Access From Emacsとでもした)
  3. 概要→Calendar API→有効にする→認証情報に進む
  4. プロジェクトへの認証情報の追加画面
    1. 必要な認証情報の種類を調べる
      • 必要な認証情報の種類「Google Calendar API」
      • APIを呼び出す場所「その他のUI(Windows、CLIツールなど)
      • アクセスするデータの種類「ユーザーデータ」
    2. OAuth 2.0 クライアントIDを作成する
      • 名前「gcal.el」
    3. OAuth 2.0 同意画面を設定する
      • メールアドレスとユーザーに表示するサービス名を適当に設定
    4. 完了
  5. 認証情報→クライアントの名前部分をクリック 必要な情報を確認
    • クライアントID (ex: 1234-xxxxxxxxx.apps.googleusercontent.com)
    • クライアントシークレット (ex: Xxx1xXxxXxx2xxXxxxXxx3xXxxx)

url-retrieve-synchronouslyでHTTPアクセス

request.elも魅力的なのですが今回はurl-retrieve-synchronouslyを使ってみます。

url-retrieve系は色々おかしな挙動を示すこともありますが基本的な使い方は簡単です。

クエリ文字列をPOSTしてレスポンス全体を文字列で受け取るには次のようにします。(Http Post - EmacsWikiより)

(require 'url)

(let ((url-request-method        "POST")
      (url-request-extra-headers `(("Content-Type" . "application/x-www-form-urlencoded")))
      (url-request-data          "field1=Hello&field2=from&field3=Emacs"))
  (with-current-buffer (url-retrieve-synchronously url)
    (buffer-string)))

また、今回はjsonの処理を多用します。jsonとlispオブジェクトとの変換は、Emacsに標準で入っているjson.elを使用します。

(require 'json)

(json-read-from-string "{\"name\": \"Taro\", \"age\": 18}")
 ;;=> ((name . "Taro") (age . 18))

(json-encode '((name . "Taro") (age . 18)))
 ;;=> "{\"name\":\"Taro\",\"age\":18}"

実際には文字列はutf-8でやりとりする必要があるので、encode-coding-stringやdecode-coding-stringで変換してやる必要があります。環境(標準のcoding system)によるのかもしれませんが私の所では送受信とも変換してやる必要がありました。

(json-read-from-string (decode-coding-string response-body 'utf-8))

(encode-coding-string (json-encode json-obj) 'utf-8)

これらを統合して、本プロジェクトでHTTPにアクセスするために使う関数をこしらえました。

主に使うのは gcal-retrieve-json- で始まる三つの関数です。

  • (gcal-retrieve-json-get url params)
  • (gcal-retrieve-json-post-www-form url params)
  • (gcal-retrieve-json-post-json url params obj)

これらは url にリクエストを出して返ってきたレスポンスをJSONとして解釈してその結果をlispオブジェクトで返します。

メソッドをGETにするかPOSTにするか、また、POSTにするなら何をPOSTするかで三つのバリエーションを用意しました。

関数の実装は次の通りです。

;; HTTP

(defun gcal-http (method url params headers data)
  (let ((url-request-method (or method "GET"))
        (url-request-extra-headers headers)
        (url-request-data data))
    (gcal-parse-http-response
     (url-retrieve-synchronously (gcal-http-make-query-url url params)))))

(defun gcal-parse-http-response (buffer)
  "バッファ内のHTTPレスポンスを解析して、ステータス、ヘッダー、ボディ等に分割します。"
  (with-current-buffer buffer
    ;; Response Line (ex: HTTP/1.1 200 OK)
    (beginning-of-buffer)
    (if (looking-at "^HTTP/[^ ]+ \\([0-9]+\\) ?\\(.*\\)$")
        (let ((status (string-to-number (match-string 1)))
              (message (match-string 2))
              (headers)
              (body))
          (next-line)
          ;; Header Lines
          (while (not (eolp))
            (if (looking-at "^\\([^:]+\\): \\(.*\\)$")
                (push (cons (match-string 1) (match-string 2)) headers))
            (next-line))

          ;; Body
          (next-line)
          (setq body (buffer-substring (point) (point-max)))

          ;; Result
          ;;(push (cons ":Body" body) headers)
          ;;(push (cons ":Status" status) headers)
          ;;(push (cons ":Message" message) headers)
          (list status message headers body)
          ))))

(defun gcal-http-get (url params)
  "指定されたurlへparamsをGETします。"
  (gcal-http "GET" url params nil nil))

(defun gcal-http-post-www-form (url params)
  "指定されたurlへparamsをPOSTします。"
  (gcal-http "POST" url nil
             '(("Content-Type" . "application/x-www-form-urlencoded"))
             (gcal-http-make-query params)))

(defun gcal-http-post-json (url params json-obj)
  "指定されたurlへjsonをPOSTします。"
  (gcal-http "POST" url params
             '(("Content-Type" . "application/json"))
             (encode-coding-string (json-encode json-obj) 'utf-8)))


(defun gcal-retrieve-json-get (url params)
  "指定されたurlへparamsをGETして得られるjsonを解析したリストを返します。"
  (gcal-http-response-to-json (gcal-http-get url params)))

(defun gcal-retrieve-json-post-www-form (url params)
  "指定されたurlへparamsをPOSTして得られるjsonを解析したリストを返します。"
  (gcal-http-response-to-json (gcal-http-post-www-form url params)))

(defun gcal-retrieve-json-post-json (url params json-obj)
  "指定されたurlへparamsとjsonをPOSTして得られるjsonを解析したリストを返します。"
  (gcal-http-response-to-json (gcal-http-post-json url params json-obj)))


(defun gcal-http-response-to-json (response)
  "レスポンス(gcal-http, gcal-parse-http-responseの戻り値)のボディをjson-read-from-stringします。"
  (let* ((status (nth 0 response))
         (body (nth 3 response)))
    ;;@todo check status
    (json-read-from-string (decode-coding-string body 'utf-8))))

(defun gcal-http-make-query (params)
  "クエリ文字列を作成します。(ex: a=1&b=2&c=3)"
  (url-build-query-string params))

(defun gcal-http-make-query-url (url params)
  "クエリ付きのURLを作成します。(ex:http://example.com/?a=1&b=2&c=3)"
  (let* ((query (gcal-http-make-query params)))
    (if (> (length query) 0) (concat url "?" query) url)))

OAuth 2.0で認証

カレンダーにアクセスするには認証が必要です。認証はOAuthで行います。

やることはだいたい次の通りです。

  1. 認証ページをWebブラウザで開いてユーザーに認証してもらい、認証ページに表示された認証コードをEmacsに入力してもらう。
  2. 認証コードからトークン情報(アクセストークン、失効までの時間、リフレッシュトークン)を取得する。
  3. 失効時間が来たらリフレッシュする(リフレッシュトークンを使って新しいアクセストークンと失効までの時間を取得する)。
  4. トークン情報を保存・復帰する。 (面倒なので今回はパス)
;;
;; OAuth
;; (この部分は一応Google Calendar以外でも使い回せるように作っています)
;;
;; Example: (setq token (gcal-oauth-get token "https://accounts.google.com/o/oauth2/auth" "https://www.googleapis.com/oauth2/v3/token" "xxx.apps.googleusercontent.com" "secret_xxx" "https://www.googleapis.com/auth/calendar"))

(defstruct gcal-oauth-token access expires refresh url)

(defun gcal-oauth-get (token auth-url token-url client-id client-secret scope)
  "アクセストークンを取得します。必要なら認証やリフレッシュを行います。"
  (if token
      (if (time-less-p (gcal-oauth-token-expires token) (current-time))
          (setq token (gcal-oauth-refresh token client-id client-secret token-url)))
    (setq token (gcal-oauth-auth auth-url token-url client-id client-secret scope)))

  token)

(defun gcal-oauth-auth (auth-url token-url client-id client-secret scope)
  "OAuthによりアクセストークンを取得します。gcal-oauth-token構造体を返します。"
  (let* ((result (gcal-oauth-get-access-token auth-url token-url client-id client-secret scope))
         (access-token (cdr (assq 'access_token result)))
         (expires-in (cdr (assq 'expires_in result)))
         (refresh-token (cdr (assq 'refresh_token result)))
         (expires (time-add (current-time) (seconds-to-time expires-in))))
    (make-gcal-oauth-token
     :access access-token
     :expires expires
     :refresh refresh-token
     :url token-url)))

(defun gcal-oauth-refresh (token client-id client-secret &optional token-url)
  "gcal-oauth-token構造体のアクセストークンをリフレッシュします。"
  (let* ((result (gcal-oauth-get-refresh-token
                  (gcal-oauth-token-refresh token)
                  (or token-url (gcal-oauth-token-url token))
                  client-id client-secret))
         (access-token (cdr (assq 'access_token result)))
         (expires-in (cdr (assq 'expires_in result)))
         (expires (time-add (current-time) (seconds-to-time expires-in))))
    (when (and access-token expires)
      (setf (gcal-oauth-token-access token) access-token)
      (setf (gcal-oauth-token-expires token) expires)))
  token)


   ;; implementation details
(defun gcal-oauth-get-access-token (auth-url token-url client-id client-secret scope)
  "アクセストークンを取得します。JSONをリストへ変換したもので返します。"
  (gcal-retrieve-json-post-www-form
   token-url
   `(
     ("client_id" ,client-id)
     ("client_secret" ,client-secret)
     ("redirect_uri" "urn:ietf:wg:oauth:2.0:oob")
     ("grant_type" "authorization_code")
     ("code" ,(gcal-oauth-get-authorization-code auth-url client-id scope)))))

(defun gcal-oauth-get-authorization-code (auth-url client-id scope)
  "ブラウザを開いてユーザに認証してもらい、認証コードを受け付けます。"
  (browse-url
   (concat auth-url
           "?client_id=" (url-hexify-string client-id)
           "&response_type=code"
           "&redirect_uri=" (url-hexify-string "urn:ietf:wg:oauth:2.0:oob")
           "&scope=" (url-hexify-string scope)))
  (read-string "Enter the code your browser displayed: "))

(defun gcal-oauth-get-refresh-token (refresh-token token-url client-id client-secret)
  "リフレッシュされたアクセストークンを取得します。JSONをリストへ変換したもので返します。"
  (gcal-retrieve-json-post-www-form
   gcal-token-url
   `(
     ("client_id" ,client-id)
     ("client_secret" ,client-secret)
     ("redirect_uri" "urn:ietf:wg:oauth:2.0:oob")
     ("grant_type" "refresh_token")
     ("refresh_token" ,refresh-token))))

Google Calendar APIを実際に使ってみる

認証

上で作成した関数を使用してGoogle Calendar API用の認証を行います。

(defcustom gcal-client-id "xxxxxxx.apps.googleusercontent.com" "client-id for Google Calendar API")
(defcustom gcal-client-secret "XxxClieNtSeCretXx" "client-secret for Google Calendar API")

(defconst gcal-auth-url "https://accounts.google.com/o/oauth2/auth")
(defconst gcal-token-url "https://www.googleapis.com/oauth2/v3/token")
(defconst gcal-scope-url "https://www.googleapis.com/auth/calendar")

(defvar gcal-access-token nil)

(defun gcal-access-token ()
  (setq gcal-access-token
        (gcal-oauth-get
         gcal-access-token
         gcal-auth-url gcal-token-url
         gcal-client-id gcal-client-secret gcal-scope-url))
  (gcal-oauth-token-access gcal-access-token))

gcal-client-idgcal-client-secret は最初にGoogle Developer Consoleで取得した情報を設定する必要があります。

(gcal-access-token)でアクセストークンが手に入ります。 初回はブラウザが開くので、そのページでアクセスを承認して認証コードを表示させ、そのコードをEmacsのミニバッファへ入力する必要があります。

カレンダー一覧

さて、実際にカレンダーの情報にアクセスしてみましょう。

まずは認証したアカウントが持つカレンダーの一覧を取得する方法。

(gcal-retrieve-json-get
 "https://www.googleapis.com/calendar/v3/users/me/calendarList"
 `(
   ("access_token" ,(gcal-access-token))
   ;;("key" ,gcal-client-secret)
   ;;("grant_type" "authorization_code")
   ))

次のような結果が返ってきます。

(
 (kind . "calendar#calendarList")
 (etag . "\"1234567890123456\"")
 (nextSyncToken . "XXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXX=")
 (items . [
           (
            (kind . "calendar#calendarListEntry")
            (etag . "\"1234567890123456\"")
            (id . "example@gmail.com")
            (summary . "example@gmail.com")
            (timeZone . "Asia/Tokyo")
            (colorId . "2")
            (backgroundColor . "#d06b64")
            (foregroundColor . "#000000")
            (selected . t)
            (accessRole . "owner")
            (defaultReminders . [((method . "popup") (minutes . 30)) ((method . "sms") (minutes . 30))])
            (notificationSettings (notifications . [((type . "eventCreation") (method . "email")) ((type . "eventChange") (method . "email")) ((type . "eventCancellation") (method . "email"))]))
            (primary . t)
           )
           (
            (kind . "calendar#calendarListEntry")
            (etag . "\"1234567890123456\"")
            (id . "ja.japanese#holiday@group.v.calendar.google.com")
            (summary . "日本の祝日")
            (description . "日本の祝日と行事")
            (timeZone . "Asia/Tokyo")
            (colorId . "7")
            (backgroundColor . "#42d692")
            (foregroundColor . "#000000")
            (selected . t)
            (accessRole . "reader")
            (defaultReminders . [])
           )
          ])
 )

追加で指定できるパラメータや得られる結果等についてはAPIリファレンス(CalendarList: list)を参照してください。

イベント(予定)のリスト

カレンダーID example@gmail.com のイベントを取得するには次のようにします。

(gcal-retrieve-json-get
 "https://www.googleapis.com/calendar/v3/calendars/example@gmail.com/events"
 `(
   ("access_token" ,(gcal-access-token))
   ("key" ,gcal-client-secret)
   ("grant_type" "authorization_code")
   ))

追加で指定できるパラメータや得られる結果等についてはAPIリファレンス(Events: list)を参照してください。

イベント(予定)の追加

(gcal-retrieve-json-post-json
 "https://www.googleapis.com/calendar/v3/calendars/example@gmail.com/events"
 `(
   ("access_token" ,(gcal-access-token))
   ("key" ,gcal-client-secret)
   ("grant_type" "authorization_code")
   )
 `(
   ("start"  ("date" "2016-05-25") )
   ("end"  ("date" "2016-05-26"))
   ("summary" "テストの予定2")
   )
 )

APIリファレンス(Events: lisert)

バッチ

多量のリクエストを送る(50まで)にはmultipartなHTTPリクエストを送るんだそうです。

url-retrieveはmultipartはできないみたいなのでrequest.elを使った方が良いかもしれません(?)

ソースはGitHubで

上のコードはgcal.elとして、また、org-modeのアクティブタイムスタンプをイベントとしてアップするコードをgcal-org.elとしてGitHub上に置きました。

https://github.com/misohena/gcal

2016-05-11

プリンターが欲しい

プリンターが欲しいと前々から思っているのだけど、置く場所を考えるととても買う気にならない自分がいる。

印刷が必要になる頻度は多くはないのだが、最近色々な手続きで印刷が必要なことが重なった。必要になるたびにコンビニに行ってネットプリントやらコピーやらしていたのだけど、こう度々だと嫌になってくる。とはいえ、その必要性はそろそろ一段落してきた。しかし以前からプリンターは欲しいと思っていたし、この機会にまた検討してみた。

とにかくコンパクトであることを優先するとモバイルプリンターが気になる。しかしこの手のものは性能はどうなのだろうか。あまり印刷品質が悪いと使う気が失せてコンビニでいいやということになりかねない。印刷速度やインクの持ちも気になる。あと、値段は2万円前後と少し高い。これで失敗するとガッカリ感が大きい。

持ち運ぶわけではないので、ここまでのコンパクトさが必要なのかは疑問だ。場所さえ確保できるならば、もう少し別の選択肢があるのではないか。

ちなみに、Amazonでインクジェットプリンターのベストセラー1位はCanon PIXUS iP2700。そのお値段何と2995円である。ひぇー。

ここまで来るとプリンターもボールペンのようにインクを替えずに使い捨てるものなのかと思う。とはいえボールペンのように机の引き出しにジャラジャラ入れておく訳にもいくまい。それでも幅が少し大きい(44.5cm)けれど、奥行き(25cm)と高さ(13cm)はそこそこ小さく収まっている。処分するときは不燃ゴミの袋に入るだろうか。いや、家の市では40cm以上は粗大ゴミと書いてあった。残念。それと印刷するときはトップを開くのでもう少し大きなスペースが必要になるようだ。

そもそもカラー印刷は必要なのだろうか。必要なければレーザープリンタも考慮の内に入ってくる。インクジェットでも顔料なら文字の品質は悪くないようだが、それでもレーザープリンタの品質、速度、インク詰まりのなさは魅力的だ。本当にカジュアルに印刷できる。ちなみにカラーレーザーはまだまだ大きすぎるので不可。

レーザープリンタ部門でAmazonベストセラー1位は brother JUSTIO HL-L2365DW 。なかなか良さそうだ。寸法は356×360×183mm。うーん、高さがもう少し低ければスチールラックに入るのだけど。スチールラックの棚板を調整して場所を確保できれば良いのだけど。

サイズだけで選ぶならば、インクジェットの複合型だけれど EPSON PX-048A あたりは良い。高さ145mmならスチールラックに入る。スキャナを開くのは難しいかもしれないけれど。いや、ギリギリ開いて紙を差し込むくらいは出来るだろうか。 これに対応する他メーカーだと、brother PRIVIO DCP-J963N-WHP ENVY4504などだろうか。

と、色々調べてみたが正直面倒くさい。どれも一長一短だ。ネットでぽちぽち見ている分には場所も取らないが、いざ到着して開封してみればその大きさにうんざりするのが常。それで滅多に使わないときている。

部屋を片付けて、もしスペースが空いたときはご褒美として買っても良いかもしれない。