最近「日本その日その日」というのを読んでいます。長いしなんだか読みづらいのでまだまだ途中までしか読んでいないのですが。
日本その日その日(JAPAN DAY BY DAY)/エドワード・シルヴェスター・モース(Edward Sylvester Morse),石川欣一訳
書かれていることは、明治初頭にアメリカからやってきた動物学者から見た当時の日本です。当時の人々の暮らし方、文化、風習などが見られます。
私は戦国武将なんかに代表されるような歴史にはあまり興味が湧かないのですが、昔の普通の人々がどう暮らしていたのかというのには少し興味があります。 現代に住んでいる我々はとても豊かで便利なくらしをしていると思うんですよ。 でもその便利さを司る物はここ数十年で急速に発展したものが多く、それが無かった時代にはどうしていたのか私には分からないわけです。
郷土資料館に行くと昔の人々のくらしの一部を垣間見ることが出来て面白いことがあります。 例えば、近所のこの辺りは将軍様の鷹狩りの場所に指定されていて住民たちは次のようなことが禁止されていた……。 なんて書かれていると、「ああ、身分制度の無い平等な世の中に生まれて良かったな~」と思うわけです。 (機械だけでなく制度などもここ数十年で大きく発展したものに含まれますね)
そういえば去年末に立川シネマシティで「この世界の片隅に」というアニメ映画を見に行きました。 私が好きそうな日常物(日々の暮らしの中にあるちょっとした個人的な喜びや悲しみを扱った作品)でとてもよい作品でしたが、そこで目に付いたのも昔の人々のくらしでした。 舞台は80~70年くらい前の広島県ですが、真っ先に目に付くのは服装ですよね。 ご婦人や子供が着物を着てる!! 私など生まれてこの方まともに和服を着たことがないんじゃないでしょうか(七五三? 温泉旅館の簡易浴衣?)。 でも当時はそれが普段着だったんですよね。 思えば母方の曾祖母はいつも着物を着ていた気がします。 いつから日本人は着物を着なくなったんですかね。 明治維新以降、男性の比較的近代的な職業から洋装化が進み、最終的に終戦後一気に洋装化が進んだようですが。 井戸で水をくんでかまどで料理するんですよ。全自動洗濯機も掃除機もないんですよ。どれだけ便利になったのかと。 一方で引き継がれているもの、形を少し変えて残っている物もありますが。
私は昔の日本が(全体的に見て)良かったとか戻りたいとか全く思いませんし、もっともっと発展させようぜと思いますが、それでも失った物はあるよなぁとも思います。
そんな今よりちょっと昔を知ることが出来る作品。
ちなみに、この本を見つけたのは比島投降記 ある新聞記者の見た敗戦/石川欣一を読んで同じ作者の本を探してのことでした。