折り返しモードでも水平スクロールさせる件。前々から気になっていた問題を色々修正した。
misohena/phscroll: Enable partial horizontal scroll in Emacs
修正点:
- 左右スクロールの可能性をフリンジで表示
- sort-lines(やorg-table-sort-lines)でフリーズする問題の修正
- org-tableの各種オーバーレイに対応
- カラムの伸縮(org-table-shrink等)
- 座標表示(org-table-toggle-coordinate-overlays)
- ヘッドライン表示(org-table-header-line-mode)
- org-indentでレイアウトが乱れることがある問題の修正
これまでは<と>でスクロールできることを表示していたのだけど、フリンジに表示すれば良いことに気がついた。幅が広がって見た目も良くなった。
ソートするとフリーズすることがあるので時々タスクマネージャからプロセスを強制終了していた。原因はsort-linesが内部でナローイングしていることで、modification-hooks経由でphscrollがスクロール領域を更新するときにforward-lineで更新終了ポイントまで到達できず無限ループに陥っていた。sort-linesはご丁寧にinhibit-quitを立てるので停止できないというわけ。
org-tableが作る様々なオーバーレイ表示に正式に対応した。これまでもカラムの伸縮くらいは最低限の対応をしていたが、伸縮した直後にレイアウトが乱れていた。座標表示はbefore-stringを使っているのでさらに特別な対応が必要だった。ヘッドラインモードは表内の一行に丸丸オーバーレイを被せ、それをpost-command-hookで更新する。phscrollと丸被りするので調整に手こずった。基本的にオーバーレイの追加・更新を効率よく確実に検出する一般的な方法はないので、個別の対応が必要。オーバーレイを追加・削除する関数をadviceでフックして解決した。
org-indentはファイルを開いた直後によくレイアウトが乱れるので不快だった(更新すればすぐに直ったが)。これも関連する関数にadviceを追加して解決した。
phscrollは仕組み的にかなり無理があるものだがギリギリ実用に耐えるのが面白い(複数のウィンドウで同一の場所を見ない限りね!)。しかしできればEmacs側に行毎に折り返しを制御するようなプロパティを追加してほしいものだ。